地域の話題

鶏を活用 生坂で無農薬除草

手作りの「チキントラクター」の運用を始めた佐久間さん

 生坂村下生坂で地域循環型養鶏「にわにわ自然養鶏」を運営する佐久間拓郎さん(35)が、組み立て式の移動鶏舎「チキントラクター」を活用した農地の無農薬除草に取り組んでいる。雑草や虫が大好物な鶏を気分転換も兼ねて畑に放ち、除草・防虫作業を手伝ってもらいながら、肥料となる鶏ふんも得る。自宅近くの畑で野菜の無農薬栽培にも取り組む佐久間さんはそんな「一石三鳥」の農業を目指している。

 縦90㌢、横1・8㍍の木枠に網と日よけを張ってちょうつがいでつないだ構造で、畑の畝間にテントのように広げることで内部に鶏数羽を放鳥できる安全な空間が確保できる。1日置くと内部に茂る雑草はほぼ食べ尽し、虫を探して地面を引っかくことで新たな雑草の成長も妨げるという。
 チキントラクターは、海外の養鶏愛好家の間で親しまれているという。今年2月に養鶏を始めた当時から構想し、今春に廃材を組み合わせて2基作った。
 草刈り機を使う場合に比べのんびりとした除草作業となるが、佐久間さんは家畜に快適な環境を提供してストレスを軽減する「アニマルウェルフェア」の実践になるとし「鶏にとっても気晴らしになる。将来的には庭先で鶏を飼育したい人たちにも広められたら」と意欲を語る。