政治・経済

はやしや 松本市でトマト栽培に着手 遊休農地に大型ハウス

収穫された大玉トマト

 弁当や総菜を製造するはやしや(松本市和田)が、松本市寿豊丘に建設した農産物プラント「寿ファーム」で大玉トマトの栽培を始めた。今期は5月に収穫がスタートし、サラダやサンドイッチの材料としてグループの工場に出荷している。規格外品はこども食堂を運営するNPO法人に提供し、利用者に喜ばれている。

 遊休農地に約2000平方メートルの大型ハウスを建設して農産物プラントとした。トマトは養液栽培し、天候によって気温や養液量を自動制御するシステムを備える。10月から翌年7月までの冬越し収穫が可能で、トマトの株の長さは最終的に20メートルを超える大きさになる。年間60~80トンの収量を見込む。
 栽培は人の経験に頼るところも大きいため、当初は品質を一定に保つのに苦労したが、安定して高品質な実を生産できるようになってきた。果肉が厚く、甘いのが特長だ。こども食堂にはこれまでに2万個近くを提供しているが、毎回利用者に大人気だという。
 5月に出荷を始めた市内の工場に加え、千曲市の工場にも供給を始める予定で、県内にあるはやしやの生産拠点で用いるトマトのほぼ全量を賄えるようになる。グループで農業事業を担う、関連会社のレドフェザーアグリの赤羽一仁社長は「季節を問わず安定した品質のトマトを提供していきたい」と話している。