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松本市のツバメ調査 市民の力絶大 報告数すでに1100件超

市民から寄せられたツバメの写真(市提供)

 松本市が毎年、市民参加型でカエルやホタルなどの生き物を調査している取り組みで、4月1日にスタートした本年度の「市民ツバメ調査大作戦」の報告件数が6月18日時点で1124件に上り、調査を始めた平成27(2015)年度以降、最多となった。これまでは令和3年度のホタル調査の453件が最多だった。報告手段を無料通信アプリ「LINE」にしたことが増加につながったとみられる。市は環境の変化が分かる調査として、市民のさらなる協力を求めている。

 生き物調査は27年度のカエルを皮切りに、ホタル、セミ、ツバメ、トンボを5年周期で調査している。市民が5種類の生き物を見つけた場合、写真と発見場所を市に報告する取り組みで、ツバメの調査は28年度以来2回目となる。前回は団体を含めた市民42人から186件の報告があり、市が報告場所の分布図を作成し、考察も盛り込んで市公式ホームページで公表した。
 本年度は調査報告の仕方を例年と変更し、LINEで報告できるようにした。スマートフォンで撮影した写真と撮影場所の位置情報を、市の公式LINEアカウントから送信できる仕組みで、誰でも手軽に報告できるようになった。月ごとの報告件数は4月が706件、5月は299件で、6月は18日までに119件だった。
 毎年の調査結果は市環境・地域エネルギー課でまとめ、11月をめどに公表している。本年度の調査は8月31日までで、ツバメはこれから2回目の繁殖が始まることから、市内各所で見られる可能性が高い。同課の担当者は「5種類を5年ごとに調査することで、環境がどう変化したかが分かる。将来につなげるためにも協力を」と市民に呼び掛けている。