政治・経済

市役所窓口を改革 DXで手続き時間短縮検討 塩尻市

ライフイベントで必要な書類を並べ、市民の手続きの煩雑さを確認する職員(市提供)

 塩尻市は、転出入や死亡・出生など人生の節目の出来事(ライフイベント)で、市役所での手続きにかかる時間短縮を目指している。デジタル技術で生活の質などを高める変革・DX(デジタル・トランスフォーメーション)を進め、住民サービスの向上と職員の負担軽減を図る。来年度以降を見据え「塩尻モデル」の窓口改革を進める。

 市民向け窓口業務がある18課が参加する「窓口DX推進チーム」を発足して5月末に検討会議を開き、全庁を挙げて検討を始めた。4月には職員向けに、1件当たりの手続き時間など業務調査を行い、検討の基礎資料にしている。市民課、デジタル戦略課、企画課が事務局を務める。
 「夫婦と、障害のある子を含む子供2人、父親」の5人家族の市内転入をモデルケースに昨夏、職員が手続きを模擬体験した。全部で11件の手続きが必要で、待ち時間を除いても209分が必要だった。推進チームでは、デジタル技術を活用した改革で時短と効率化の実現を目指す。
 来年1月には、市民の申請書類記入の手間を省く「書かない窓口」のシステムを市民課に導入する計画だ。推進チームの検討内容を生かした実践は次年度以降になる見通しで、市企画課の紅林良一課長は「来庁者への対応について各部署で個別の最適化を進めてきてはいるが、市民の視点で全体の最適化をしたい」と説明する。