「見えない不安」を体感 松本・清水中3年生

松本市の清水中学校3年生は14日、同校体育館でアイマスクをして目の見えない体験をする「ブラインドチャレンジ」を行った。生徒はアイマスクをして歩いたり、介助したりする体験を通し、障害を持つ人の気持ちに理解を深めた。
講師は、同市を拠点に視覚障害者の運動支援に取り組む「信州伴走・伴歩協会」代表の大谷拓哉さん(56)=松本市蟻ケ崎4=と、会員で全盲の船着裕史さん(55)=安曇野市三郷明盛=が務めた。最初に船着さんが白杖で障害物を確認しながら、ステージに上がる様子を見学した。続いて、生徒120人が2人一組になり、アイマスクをする人と介助者に分かれ、体育館や廊下を歩く体験をした。
アイマスクをした生徒は介助者の生徒の肘を持ち、介助者の「階段があるよ」などの声を注意深く聞きながら、恐る恐る足を踏み出していた。大谷代表は「皆さんの普通と船着さんの普通は全く違う。これが多様な人が生きていることだと分かってもらえたら」と語り掛けた。松並優奈さん(14)は「不安がよく分かった。聴覚障害の方にお会いしたら手助けしたい」と話した。