政治・経済

松本市職員の自転車通勤「優良」 国交省認定 自治体では初

ヘルメットをかぶり自転車で帰路に就く市職員(5日)

 自転車のヘルメット着用を推進するために国土交通省が制定している「自転車通勤推進企業宣言プロジェクト」の優良企業に、松本市役所が認定された。自転車通勤をする市職員のヘルメット着用割合の高さや、自転車の点検や整備が定期的に行われるなどの取り組みが評価された。全国の自治体では初認定で、市は職員の着用率をさらに上げ、市職員をけん引役にして市内の企業や学校などのヘルメット着用率向上を図っていく。

 プロジェクトは国交省が令和3年度に制度化した。職場の駐輪場確保や交通安全教育の定期開催、自転車損害賠償責任保険への加入義務化を条件に、宣言企業を認定する。これまで全国の9自治体を含む64団体が認定された。
 松本市は昨年度に宣言企業となった。国交省は宣言企業のうち、独自の取り組みを行う団体を優良企業に認定している。昨年度まで6団体が優良企業に認定され、本年度は松本市と東京都の2社が認定を受けた。
 松本市は市役所に通う職員約1200人のうち、約450人が自転車で通勤している。市が5月に市役所駐輪場で調査したところ、自転車利用者の59・5%がヘルメットを着用していた。3月にヘルメットを購入し毎日の通勤で着用している行政管理課の岩岡楓さん(27)は「交通量が多い道を通るので安心感が得られた」という。
 市共済組合は、ヘルメットを購入した組合員に3000円を補助しており、これまで約300人が補助を受けた。岩岡さんは「手続きは簡単なので他の職員に勧めたい」と話していた。
 自身も自転車に乗る時はヘルメットを着用しているという臥雲義尚市長は、5日の定例記者会見で「市が率先してヘルメット着用を進め、着用率日本一の市にしていきたい」と話していた。

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