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親子サークル・キッズパーク 病児・障害児対象に始動 安曇野市社協

仲谷さん(左から2人目)と、いろ組の参加者と顔合わせをした児童館職員

 安曇野市内の児童館を運営する安曇野市社会福祉協議会は本年度、病児や障害児を対象にした親子サークル「にじいろキッズパーク」を始めた。市内児童館で行っている、運動遊びや季節の行事を楽しむ未就園児対象のサークル「キッズパーク」の発展版で、社協の事業としては全国的にも珍しい。病児や障害児の家族支援を行う任意団体「ピアサポートshushu」と協力し、外出や児童館利用のハードルが高い親子の交流・体験の場づくりに取り組む。

 会場は穂高西部児童館(穂高柏原)で、市内在住であれば何歳でも参加可能。集団生活での感染リスクが低く外出が可能な子供を「にじ組」、感染リスクが高く在宅療養が必要な子供を「いろ組」とし、それぞれで児童館の企画や保護者発案のグループ活動を楽しむ。いろ組はビデオ会議システム・Zoomを活用する。
 にじ組は6組、いろ組は3組の申し込みがあり、このほどいろ組の参加者と職員がオンラインで顔を合わせた。参加者は在宅療養を担う母親が感じる緊張や孤独を、自身の経験を交えながら説明。「手遊びやベビーマッサージのレクチャーなどなら画面越しでもできそう」と活動案を出した。
 shushu代表で自身も先天性心疾患の長男を育てる仲谷さやかさんは、病児・障害児の母親の心境について、「児童館に来たい半面、周囲の反応や、他の子と一緒に活動できるかなどが不安」と話す。にじいろキッズパークによって「『私たちの居場所がちゃんとある』と思ってもらえれば」と期待する。
 穂高西部児童館は来館のハードルを下げようと、shushuと共同で、病児・障害児の母親が集う「おしゃべり会」を定期的に開いている。にじいろキッズパークもその延長で、同館の責任者・大月美保さんは「気楽に来られる場所でありたい。親同士やボランティアともつながり、地域全体で子供を育てる形になれば」と願う。
 本格的なサークル活動は6月から始まる。定員は各組10組で、現在も申し込みを受け付けている。問い合わせは穂高西部児童館(電話0263・82・2527)へ。