塩尻郊外の田川浦湖に古タイヤ92本も不法投棄

ヘラブナ釣りの人気スポットとして知られる塩尻市郊外の田川浦湖に、自動車用の古タイヤ92本が投棄されていたことが2日までに分かった。市は業者による不法投棄とみており、廃棄物処理法違反に当たる可能性があるとして、塩尻警察署に通報した。
5月31日午後、釣り人が「湖にタイヤが浮いている」と管理事務所を通じて市に連絡した。湖を管轄する市の観光課職員と塩尻署員が同日夕、現地を確認したところ、南西側の湖面にタイヤが浮いていた。一部は湖岸の斜面にも捨てられていたという。湖岸沿いの歩道から斜面を転がして捨てたとみられる。
1日に職員2人が手こぎボートを使い、湖面に浮いたタイヤを回収して、湖岸に積み上げた。乗用車用と軽自動車用があり、メーカーやサイズはさまざまだった。5月30日夕は異常はなかったため、30日夜から31日朝までに何者かが投棄したとみられる。
田川浦湖は、近くのみどり湖と共にヘラブナ釣り場として有名で、近年は両湖に年間1万人以上が訪れている。観光課の担当者は「新型コロナウイルス禍の行動制限がなくなり、これからという時に...。非常に悪質で、怒りを感じる」と話す。
市生活環境課によると、市内であったタイヤの投棄は多くても10本程度で、92本もの大量投棄は「聞いたことがない」と困惑する。処分費用は1本につき、少なくとも500円程度かかる。古タイヤの場合、投棄した人物の特定が難しく、市が費用を出して処分しているのが実情だという。
市の観光課は生活環境課と連携し、見回りを強化する。タイヤの大量投棄をした人物についての情報提供も求めている。