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2人そろうと飲み物無料 安曇野のホテル「社長のおごり自販機」設置

従業員休憩室に設置された「社長のおごり自販機」

 安曇野市穂高有明の休暇村リトリート安曇野ホテルに22日、従業員が2人そろうと飲み物が無料になる自動販売機「社長のおごり自販機」が中信地域で初めて設置された。新型コロナウイルスの影響で薄くなった従業員間のコミュニケーションを活性化させるサントリーの新しいサービスで、無料分の費用はホテルが負担する。

 サントリービバレッジソリューション(東京都)の提案を受けて導入した。令和3年4月に始まったサービスで、全国で約200台が設置されている。県内での設置は駒ケ根市と飯田市の企業に続いて3例目になる。
 従業員休憩室に設置された。自販機のタッチセンサーに専用カード(企業によっては社員証)を2人同時にかざすと、1人1本ずつ好きな飲み物が無料で選べる。2人で息を合わせてカードをかざさないとサービスが起動しないという。ホテル側の設定で、ペアを変えれば1週間に1人2本までもらえる。
 同ホテルはコロナ禍まっただ中の令和2年4月にオープン。所属部署が違う従業員同士の接点は主に休憩室だが、利用人数の制限や黙食が行われ、顔は合わせていても話したことがない状態が続いていた。忘・新年会など全員が集まる機会もなく、同ホテルは「コミュニケーションが全然取れなかった。溝を埋められないかと考えていた」とする。
 自販機の名称も導入側の意向で設定できる仕様で、同ホテルは従業員に対する日頃の感謝を込めて「感謝の気持ちの自販機」と名付けた。太田鎮副支配人は「一つのきっかけになって、従業員が一丸となってホテルを盛り上げていけたら」と期待を込めていた。