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陸ワサビ生産農家倍増 安曇野に15軒 収穫始まる

陸わさびを収穫する浅川さん

 ワサビの産地として知られる安曇野で15日、ハウスで土に植えて育てる「陸わさび」の収穫が始まった。JAあづみ(安曇野市豊科)と、ワサビの加工・販売を手掛けるマル井(同)が連携して栽培拡大に取り組んでおり、3シーズン目となる今季は栽培農家が15軒と昨季より倍増した。作付け面積も42アールまで拡大し、産地化が順調に進んでいる。

 安曇野市穂高のJAあづみ施設で目揃い会があり、マル井の担当者が収穫や出荷の注意点などを説明した。その後、近くにある農家・浅井晃一さん(54)のハウスに移り、陸わさびを収穫した。
 陸わさびは、主に加工用の茎を得るために育てる。安曇野では9月上旬~10月中下旬に苗を定植し、翌年の5月中旬~6月下旬に収穫することで、ほかの農作物と農繁期がずれ、農家の収入確保にもつながる。今季は42アールで約30トンの収穫を見込んでおり、他にマル井も栽培している。
 生産者の募集強化や陸わさびの認知度向上などが栽培農家増加につながっているとみられる。今季から栽培している安曇野市穂高北穂高の農家・髙橋和也さん(47)は収益の高さが栽培開始の後押しになったといい、「ほかの作物より手間はそんなにかからない。西日が当たらない場所なども陸わさびなら有効活用できると思う」と話していた。