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盆栽風「庭リウム」創作 安曇野・三郷の大南造園・降幡代表

自宅に設置した庭リウムと降幡さん

 安曇野市三郷小倉の大南造園代表・降幡篤志さん(40)が、日本の伝統的な庭木を生かした盆栽風の庭「庭リウム」を創作した。金属のフレームで囲った空間に松やイチイなどを配置する手法で、水槽で観賞魚や水草などを育てる「アクアリウム」に着想した。先々代や先代から引き継いだ大切な庭木を切らずに現代の洋風建築に生かそうと考えた。

 造作中を含めて3件施工した。県道沿いの自宅に設置した庭リウムは幅6メートル、奥行き2メートル、高さ2・5メートル。鉄のフレームと木の格子で空間を仕切り、内側にアカマツが1本植えてある。巨大な盆栽のようで、夜間は照明で雰囲気が変わる。
 降幡さんは庭師歴23年のベテラン。17歳で造園会社に入って3年間の修業後、庭師の父と一緒に大南造園を創業した。代表に就いて6年ほどになる。
 降幡さんは「昔の人は庭木を本当に大事にしていた」と語る。一般的に、先々代や先代から引き継いだ家を建て替える際、松やイチイといった伝統的な庭木も撤去する事例が目立つという。松を切ることになり、手を合わせて涙を流す年配女性の姿にも接した。降幡さんは「伝統的な庭木を若い人にも格好良く見せたい。庭リウムは庭園ではなく、絵画のように考えてもらえたら」と提案する。
 今ある庭木を生かすことでSDGs(持続可能な開発目標)に貢献することや、庭リウムがある暮らしを魅力に感じた県外者の移住につなげることも見据える。降幡さんは「有名アーティストとコラボレーションしてみたい」と夢も描く。
 問い合わせは降幡さん(電話090・2407・6502)へ。