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血管内治療センター開設 安曇野赤十字病院 動脈硬化性疾患に対応

センター長の永江歩医師(前列右から2人目)ら血管内治療センターのスタッフ

 安曇野市豊科の安曇野赤十字病院はこのほど、循環器診療体制を強化するため、病院内に血管内治療センターを開設した。高齢化が進んで心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患が急速に増え、血管内治療(カテーテル治療)の需要が高まる中、同病院は「安曇野の循環器診療は安曇野で完結する体制をつくる」と意気込む。

 循環器内科副部長で同治療センター長の永江歩医師(43)を中心に、看護師や放射線技師、臨床工学技士などで横断的なチームをつくった。市内で唯一の血管造影室と集中治療室も備えている。
 永江医師は日本循環器内科学会専門医などの肩書を持つ。昨年4月に信州大学付属病院から移り、患者の受け入れ体制を強化する動きが始まった。心臓と下肢血管のカテーテル診療が一昨年度は27件だったが、昨年度は約8倍の210件と激増した。心疾患の疑いがある救急搬送の受け入れも年間150日ほどだったが、昨年から365日24時間受け入れる体制を整えた。
 永江医師は「循環器診療は時間との闘いでファーストタッチが大事。時間がたっているが故に、思うような治療効果が得られないことが幾多あり、拠点をつくりたいと常々思っていた」と語る。
 本年度の心臓と下肢血管のカテーテル診療は20件に達し、昨年度の実績を上回ると予想されている。永江医師は「今後も需要が高まる中で地域の循環器診療を盛り上げていきたい」と展望する。