教育・子育て

踏切注意を小学生に徹底 死亡事故受け各校が指導

JR東日本が提供した精巧な模擬踏切を使って渡る練習をする広丘小学校の2年生児童

 塩尻市内で1月に発生した小学校2年生の女子児童の踏切死亡事故を受け、新1年生が入学して新学期が始まった中信地区の小学校で、啓発活動が進んでいる。通学路に踏切がある小学校は多数あり、再発防止に向けて児童にルールを教えていて、今後は設備面の点検も進められそうだ。

 通学路に踏切がある小学校は、塩尻市内は組合立を含む9校のうち3校、松本市内は28校中8校、安曇野市内は10校中8校ある。各教育委員会では校長会を通してあらためて踏切を含む交通安全を徹底するよう呼び掛けている。踏切の設備や構造などの安全確認は、通学路の安全点検などで行われる見込みだ。
 特に塩尻市では今月上旬に、事故があったJR篠ノ井線の長者原踏切で、低学年児童にわかりやすいように、左右の確認を促すイラスト入りの路面標示などを新たに施した。
 21日には塩尻市の広丘小学校の体育館で、1、2年生を対象に、JR東日本長野支社が昨年購入した摸擬踏切を使用した安全教室も初めて開かれた。2年生の回には岡田聡塩尻駅長ら安全管理を担当する社員6人も参加した。ステージに据えられた踏切の前で、市都市計画課の女性職員が1月の事故の教訓も踏まえて「列車が見えなくても遮断機が下りていたら絶対に渡らないで」などと説明した。
 JRの社員も「広丘小の近くで特急あずさは時速130㌔も出ている。運転士が危険に気付いて非常ブレーキをかけても、止まるまでに600㍍も進んでしまう」と話した。実際に通学で踏切を渡っている児童たちが、模擬踏切を使って安全確認をするなどして渡る手順を確認した。
 広丘小では昨年、1年生が遮断機をくぐって渡ってしまう事案があったという。岡田駅長は「同じような事故を絶対に起こしてはいけない。ハード・ソフトの両面で対策をしっかりやっていきたい」と力を込めていた。