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松高・信大寮歌祭 4年ぶりに再開へ

松高・信大寮歌祭の再開を話し合う実行委たち

 旧制松本高等学校寮歌祭の流れをくむ「松高・信大寮歌祭」が今年、松本市で4年ぶりに開催されることになった。新型コロナウイルス禍で中断を余儀なくされていたが、後継の信州大学の同窓生らでつくる実行委員会が18日、感染対策の徹底を条件に対面での再開を確認した。旧制松高の卒業生が若い世代でも90代になる中、関係者には「寮歌祭の灯をいま、再び松本に」との思いが募っている。

 旧制松高校舎を活用した市あがたの森文化会館で実行委があり、旧制松高や信大の同窓会関係者が集まった。かつては5~6月の初夏に開催した寮歌祭だが、感染状況も見ながら秋に再開することを確認。あがたの森文化会館講堂の外壁補修工事と重なるため、講堂が使えれば10月、使えなければ9月30日に市勤労者福祉センターで開くことを決めた。足を運べない全国の同窓生のため、オンラインの配信も検討する。
 あがたの森松高寮歌祭とうたった旧制松高の寮歌祭は、松高同窓会の活動停止を受けて平成27(2015)年に幕を下ろした。しかし松高生たちの情熱に接した信大同窓生が中心となって、翌年に再出発。コロナ禍では開催を見送っていたが「中断期間は最小限に」との思いから、関係者が協議を重ねていた。
 信大理学部OBで寮歌祭実行委員長の森淳さん(76)=名古屋市=は18日、オンラインで実行委に参加した。「わが子のように松高生を大切にした松本の人々と、松本を愛し文化を根付かせた松校生たち。その恵まれた環境の中で松本の寮歌は育った」と語り、寮歌祭の再開が多くの同窓生に元気を届けることを願っていた。