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99年の歩み 記念誌に 閉園した木曽幼稚園 思い出詰まった写真、記事

完成した記念誌と編集委員の皆さん

 少子化の影響で令和3年度末に99年間の歴史に幕を下ろした木曽幼稚園(木曽町福島)の記念誌が今月、完成した。大正11(1922)年から昭和45(1970)年まで初代園長を務めた創立者・原みさほさんの人柄を表す「おもいやり」を題名に据え、山平地区の園舎の屋根をイメージしたえんじ色の装丁の冊子だ。歴代の卒園生とその保護者、教職員の思い出がたくさん詰まっている。

 記念誌はA4判130㌻。私立幼稚園として創立後、昭和53年に町立幼稚園になり令和4年3月に閉園した園の歩みや、歴代園長の紹介、教育理念などを6章構成で紹介している。特に「木曽幼稚園の教育」の章では、原さんが私財を投じて幼稚園を設立した後、どのような理念で幼児と接し、木曽の幼児教育の礎を築いたかが丁寧につづられている。年度ごとに卒園時の集合写真や日常を撮った写真をまとめた「写真で綴る一世紀」の章も、見応えがある。
 卒園生らでつくる編集委員会が1年間かけて製作した。250冊を発行し、製作には112人から寄せられた約200万円が充てられた。写真などは50人から提供された。
 編集委は7日、町図書館に2冊を寄贈した。昭和35年度の卒園生で、委員長を務めた加藤晋悟さん(68)は「家族の会話の種になれば。これから幼児教育に携わる人、志す人も学び生かしてほしい」と話していた。
 記念誌の残部は寄付者に配布する。町図書館で当面、閲覧できる。問い合わせは編集委事務局の松岡新聞店(電話0264・22・2027)へ。