筑北村坂北・青柳区の奇祭「狐の嫁入り」の存廃 住民アンケートへ

筑北村坂北の青柳区で7年目に1度行われる里坊稲荷神社の奇祭「狐の嫁入り」について、今後廃止するか否か区内で住民アンケートを実施することになった。区は当初、実施の1年延長を決め今年3月26日の祭りは神事のみとしたが、区住民の減少・高齢化で継続が困難と判断。今月中に住民約50世帯の意思をとりまとめ、大正時代から約100年続いてきたとされる伝統行事の行く末を判断する。
このほど住民約30人が集まった令和4年度青柳区・青柳分館合同総会で方針を決めた。
区役員側は、4年度だけで死亡や転出で10世帯近くが減少し、残る住民だけで準備・練習を行う困難さや金銭負担の重さ、担い手を外部の人に任せてまで伝統行事を継続すべきかなどの疑問も踏まえ「区が疲弊している」などと説明。賛同意見も上がり当初は総会で実施の是非を判断する予定だった。だが出席者の一部から「村を象徴する貴重な伝統行事」「欠席者もいる総会で判断すべきではない」などの異論も上がり軌道修正した形だ。
峰村佳秀区長(74)は「伝統行事を続けたい思いは自分も同じ。だが継続困難という厳しい現実もある」とし、「アンケートで住民が納得する形にまとめたい」と話す。「狐の嫁入り」は村無形文化財に指定されている。