連載・特集

2023.4.24 みすず野

 破顔一笑―当選を喜ぶ人たちの写真や、抱負の入った原稿が本社へ送られてくる。その感激をぜひわがまちむらの将来に生かしていただきたい◆議員になった心境を詠んだ郷土の歌人がいる。伊藤左千夫に師事した平瀬泣崖こと胡桃澤勘内は昭和8(1933)年、松本市議に当選する。〈二百四十二人のひとに書かれたるわが名の中にこもる君が手〉一票を託してくれた人の思いが肩にずしり。〈かゝる日は遂に来れり人々のときめくこゝろ吾を起たしむ〉祝賀会場か、決意が伝わる◆議員選は生坂の補選も加わって3市2町2村で舌戦が繰り広げられた。松本で女性の候補が過去最多。本稿執筆時点で票がまだ確定しておらず、結果をここに書くことはできないが、先に無投票で当選者が決まった朝日村では男女が半々となり、大桑村で誕生した女性の新顔2人は共に30代だ。新しい風に期待が高まる◆地域課題を巡って議場で意見の対立もさまざまにあるだろう。住民の目線で、より良い暮らしにつながる議論を望みたい。釈迦に説法を承知の上で、勘内集からもう一首。〈敵ならばまことよき敵味方ならばよき味方ならん公のために〉