教育・子育て

松本・筑摩野中PTA解散 加入者減少 新年度に有志団体発足

新団体について意見を交わした準備委員会

 松本市筑摩野中学校(村井町北2)のPTAが、年度末で解散する。任意団体として入会の意思確認を行うようにしたところ加入者が減少。役員の担い手不足や不公平感の高まりなどを背景に継続は困難と判断した。一方で子供や学校に対する支援、子供の安全や進路に関する情報共有といった役割は「なくしてはいけない」として、新年度に新たな有志団体を発足させて引き継ぐ。

 同校は全校約700人の市内最大規模の中学校。入会の意思確認は会員の指摘をきっかけに、2年前から全家庭に用紙を配り徹底した。10割近かった加入率は、昨年6月時点で3年生が約9割、2年生約7割、1年生約8割と低下し、学級によっては6割程度まで落ち込んだ。
 役員選出の前に退会者が集中するなど特に役員に対する抵抗感が強く、少人数での役員決めは一層難航して保護者間の関係悪化につながりかねない状況だったという。非加入家庭が増えても、PTA事業の恩恵は生徒全員が受けられるため不公平を訴える声も強まった。昨年10月の保護者アンケートで9割以上の賛同を得て12月に解散を決定した。
 新年度にボランティアによる新団体「筑中りんどう会」を設立する。保護者や教員に限らず学区内を中心に広く協力者を募り、できる範囲で活動していく。学年・学級懇談会の運営、生徒対象の講演会、資源物回収といったPTAの活動は精査し、残すものは学校や保護者が役割分担するほか形を変えるなど工夫して継続する。
 新団体の運営を担う現PTA役員ら7人が23日夜に第1回準備委員会を開き、方向性や活動内容の検討を始めた。役員らは「PTAは本来、子供たちのための組織だったのに、親の事情で論点が変わってしまった」と振り返り、新団体について「少人数でも気持ちのある人が集まり、できることを模索していきたい」としている。