スポーツ

木曽の土俵にコロナ禍前の風景 相撲場で交流稽古再開

汗と土にまみれて激しい鍛錬を重ねる木曽と東京の子供たち

 新型コロナウイルスまん延の影響もあって途絶えていた「相撲どころ」ならではの光景が、木曽に戻り始めている。令和10年に県内で開催する第82回国民スポーツ大会(略称・国スポ)の相撲会場に決まっている木曽町新開の木曽町民相撲場では、5年後の国スポ出場を目標に掲げ、本格的に動き出している子供たちの姿がある。

 北海道松前郡福島町の小学生が木曽の子供たちと合同稽古を行ったのは令和2年1月。それ以後は中断していた県外の選手が木曽を訪れての「交流稽古」の再開の口火を切ったのは東京・文京区の文京針ケ谷相撲クラブ。先週末の2日間、町民相撲場にある屋内運動場で、木曽少年相撲クラブや木曽青峰高校相撲部と汗を流した。
 勝てばその分だけ稽古の番数が増える「申し合い」を中心に実戦形式の稽古を重ね、互いを高め合った。昨夏の全国中学校相撲選手権大会(全中)個人戦に出場した木曽町中2年・藤谷奏斗君(14)は「強い相手との貴重な稽古になった。自分の弱点が分かった」とうなずいていた。
 針ケ谷クラブの中学生7人は、5年後の国スポ開催時には、選手として再び木曽の地を訪れる未来を見据えながらの合宿だった。同クラブの村田光央会長(54)は「相撲の盛んな木曽での稽古は勉強になる。子供たちが成長し、国スポ出場につながることができればうれしい」と期待していた。
 両クラブの指導者が、日本相撲連盟の同じ研究委員だった縁で、交流につながった。