政治・経済

松本市長選まであと1年 現職進退触れず 水面下で対抗馬模索の動き

 松本市の臥雲義尚市長(59)=中央3=の任期が28日で残り1年となった。来年3月に予定される次期市長選について臥雲市長は進退を言及しておらず、対抗馬の擁立も現段階で表立った動きはない。県議選(松本市・東筑摩郡区)、市議選を間近に控え、活動の本格化は統一地方選挙後になるとの見方が強い。

 臥雲市長は初当選直後、2期8年を限度に市政運営を行う考えを表明。今年の市民タイムスの新春インタビューでは「(去就について)言及するタイミングがいつであるかは心得ている」と話した。直近の22日の市長定例会見では「まず自分のやるべきことに取り組む」と、市長選については言及しなかった。
 前回選の候補のうち、次点の大月良則氏(62)=波田=は取材に「お答えできることはない」としている。4月の市議選に出馬予定の花村恵子氏(55)=沢村2=は「市長選への出馬は考えていない」、県議選に立候補予定の百瀬智之氏(40)=井川城3=も「県議選に集中するところなので全く考えていない」と話す。
 表面上は無風だが、前菅谷昭市長の政策を次々と転換し、市議会との摩擦が目立つ臥雲市政への不満のくすぶりはある。共産党中信地区委員会の清沢達也委員長は、現時点で候補擁立は検討していないとしつつ「市政はこれでいいのか、と懸念する市民の声は多く届いている」と話す。
 対抗馬擁立を水面下で模索する動きはある。関係者の一人は「県議選と市議選の結果が市長選の動向に影響するだろう」と話し、臥雲市長と接点を持つ候補がどれくらい当選するかや、市議会の会派構成がどう変わるかに注目している。