地域の話題

俳句愛好家 塩尻に集う

大会で講演する宮坂さん

 塩尻市の塩尻合同俳句会(下島健会長)は11日、同市の塩尻総合文化センターで第45回塩尻合同俳句大会を開いた。市内外の76人から402句が寄せられ、入選作の選評が行われた。俳句を愛好する市民ら約50人が参加し、信州大学名誉教授で俳句誌「岳」を主宰する宮坂静生さん(85)の講演にも聞き入った。

 大会賞には西村はる美さん(75)=岡谷市=の句「日向ぼこたましひ抜けてゆくやうな」が選ばれた。選者の一人の倉科繁登さん(85)=塩尻市大門二番町=は「人生には多くの苦労があるが、それも忘れてゆくような、ゆったりとした姿が思い浮かぶ」と評した。
 宮坂さんは講演で、今まで作った句よりも少しでも新しい句を生み出すことは難しいと述べ、毎日毎日、旅のような新鮮な思いを持ち続けることの重要性を強調した。俳句について「人間の内面を詠うものに違いないが(これは)人間中心の考え方。自分とは小さいものだと知るためにはやはり自然を見て、自然の中に入らなくてはいけない」と呼び掛けていた。