地域の話題

マスク緩和へ準備進む 13日から「個人の判断」に

松本市役所本庁舎の総合案内に掛かっている感染防止用のビニールカーテン。マスク着用が「個人の判断」に委ねられることに伴い、市はこれも撤去する

 新型コロナウイルスの感染予防策として定着していたマスクの着用が、13日から「個人の判断」に委ねられる。中信地区の市町村や交通機関、商業施設などはマスクの着用呼び掛けをやめる方針で、今後も手洗いなどの基本的な感染予防は行いつつ、コロナ禍前の日常を取り戻す動きが広がりそうだ。

 松本、木曽地域と北安曇郡南部の全ての市町村が、市役所・役場の来庁者や公共施設の利用者について、個人の判断を尊重するとしている。職員については、自席での業務では「個人の判断」とするところが多く、窓口対応など住民と接する際には着用する方針となっている。公営バスやデマンド交通でも同様の対応となる。
 文化施設では塩尻市のレザンホールや、松本市芸術文化振興財団が運営するまつもと市民芸術館、音楽文化ホール、市美術館は「マスク着用を推奨する」としている。
 松本市の臥雲義尚市長は9日の記者会見で「マスクを着用しないことでお互いの表情が見え、意思疎通が深まる。表情が見えないのは子供の成長にもプラスにならない」と述べて、「市民には積極的にマスクを外し、日常を取り戻してほしい」と呼び掛けた。松本市は庁舎内のアクリル板やビニールカーテンも、一部を除いて撤去するとした。
 交通機関では、JR東日本やアルピコ交通(松本市)が、鉄道やバスの乗客に対しマスク着用の呼び掛けをやめる。大型商業施設やスーパー、映画館なども同様に足並みをそろえそうだ。接客する従業員の着用は当面続くとみられる。
 松本市内のあるフィットネスクラブでは「『マスクをしたままでは走れない』と休会している人もいる」といい、スタジオの人数制限や検温は継続するなど感染予防に配慮しつつ、マスクを外して健康づくりができるようになることを期待していた。