地域の話題

コトヨウカ 無病息災願う 松本・入山辺 厩所常会の伝統行事

貧乏神を乗せたわら馬を引いて歩く住民たち

  一年の農事始まりとなる「お八日」の8日、松本市入山辺の厩所常会で、松本地方の伝統行事「コトヨウカ」が行われた。市内では山辺や両島、今井などでも行われる国選択無形民俗文化財で、厩所では「貧乏神」を乗せたわら馬を燃やして住民らが無病息災を祈った。

 20人ほどが厩所公民館に集まり、和気あいあいとわら馬作りに励んだ。木の骨組みにわらを巻いて作る体長2メートルの馬は、毎年少しずつ異なる顔立ちや体付きで、参加者の笑いの種だ。完成した馬を囲んで数珠回しを行い、「貧乏神追い出せ」と唱えながら集落外れの薄川まで運んで燃やした。
 2歳と4歳の孫を連れて参加した朝倉睦水常会長(70)は「孫たちにもコトヨウカを知ってほしい。後継者は少ないが、伝統を守っていけたら」と話していた。

連載・特集

もっと見る