山形・清水寺で八十八夜例祭 京都・森貫主が来村

山形村清水高原にある古刹・清水寺で1日、立春から数えて88日目に行われる八十八夜例祭が営まれた。同寺と縁が深い京都市の清水寺から森清範貫主(84)が来村し、地域住民と共に村の安寧や五穀豊穣を願った。寺を盛り上げる活動をする村民有志の「山形清水寺絆会」が法要に合わせて森貫主を囲む食事交流会も開き、にぎやかに親交を深めた。
村の清水寺の本尊・千手観世音菩薩像がご開帳され、森貫主、山形村と朝日村の4寺(宝積寺、宗福寺、見性寺、古川寺)の住職を導師に迎えて合同法要を営んだ。寺保存会と村教育委員会の関係者、一般の参拝者ら約30人が参列した。直井雅尚・保存会長は「天平元(729)年開基からまもなく1300年を迎えようとしている寺は、今なお近隣地域の皆さんから厚く守られている。千手観音様に豊かな実り、村や世界の平安と安寧をお祈りしたい」とあいさつした。
交流会は高原内の室内運動場で行われ、絆会の会員らが手打ちそばや山菜の天ぷらでもてなした。森貫主は「人情があって温かいところ。毎年村に来るのを楽しみにしている」と感謝し「人々のつながりや絆は地域をもり立て、発展させる源になる。これからも大事にしてほしい」と話した。
絆会の小林政幸会長(87)は「交流はわれわれにとっても大きな励み。村の文化観光資源である寺を守っていきたい」と願った。
前日の4月30日には安曇野市の温泉宿泊施設で交流会が行われ、阿部守一知事や各地の首長など約140人が集った。