松本の美ケ原直行バスが利用好調 SNSで注目 若者が利用
松本駅と美ケ原高原を結ぶ定期観光バス「美ケ原高原直行バス」の昨季の利用者が延べ4626人と過去最多となり、新型コロナウイルス流行以前と比べて2倍になった。写真や動画を共有できる交流サイト(SNS)で注目され、若い人の利用が増えたことが背景にある。今後も増加が見込まれる一方、輸送能力の確保が新たな課題となっている。
人気投稿サイト・インスタグラムでハッシュマーク「#」に続けて「美ケ原高原」をタグ付けすると、10万件以上がヒットする。美しの塔周辺の牧場の牛と一緒に写真や動画を撮影することが若者の間で注目されており、統計はないものの、美ケ原駐車場売店のスタッフは「若い人の増加が著しい」と話す。
直行バスは松本駅アルプス口と県美ケ原自然保護センターを1時間20分で結び、1日2往復走る。現状の平均乗車率は30%ほどだが、松本駅午前8時15分発と、美ケ原午後4時発の便に利用が集中し、満席になる便もある。時間帯によって運賃に差を付けるなど、利用の分散化を図る検討に着手する。
直行バスは、市や松本商工会議所などでつくる城下町松本フェスタ組織委員会が事業主体となり、アルピコタクシーが運行する。現状は24席のマイクロバス1台で運行しているが、市観光ブランド課の勝山裕美課長は「今後さらに実績が上がれば、将来的にバスの大型化や増便を検討する必要もある」と話す。
今季の運行期間は6月1日から10月13日まで。土・日曜日と祝日に運行し、7月16日~8月30日は毎日運行する。例年は9月末までだった運行期間を10月第2週まで延長した。片道運賃は1500円(2日前までの早期予約割引1200円)で、専用サイトからのウェブ予約のみ。5月1日に受付を始めた。