塩尻市立図書館 ずらり!ソバの本 司書・村山さんが前職生かし選書

塩尻市立図書館本館で5月12日まで、企画展「ソバ・そば・蕎麦―意外と知らないソバの世界―」が開かれている。昨春から司書として働く元県農政部職員でソバを研究していた村山敏さん(61)=宗賀=が担当し、自然科学や栽培技術、歴史、民俗・文化などさまざまな視点で書籍を紹介している。
ソバ研究からソバを題材にしたエッセーや昔話、落語、絵本、民具、地域おこしに絡む本もある。これと併せ、国内のソバの自給率は約3割で、令和5年産は県の作付面積が全国4位、収穫量は全国3位との生産状況をまとめた掲示があり、2種類の花がある植物としての特徴、実の構造、そば粉の種類も解説している。中国から日本への波及、そば切りの歴史にも触れた。
村山さんは平成5(1993)~18年の13年間、当時の県中信農業試験場(現・野菜花き試験場)で農作物のソバを中心に栽培技術の研究をしていた。令和6年3月に60歳の節目を迎えて野菜花き試験場の佐久支場長を最後に退職。「農業研究は若い人に任せたい」との思いもあり、本が好きだったことなどから2年前に通信講座で取得した司書の資格を生かして地元の図書館職員になったという。
最近は米価高騰や野菜の値上がりなどが話題に上るが、村山さんは「身の回りの食材に関心を持って深掘りするきっかけになれば」と話す。