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股くぐり子供の成長願う 松本市波田・仁王門

大泣きしながら仁王像の股をくぐる幼児

 松本市波田上波田の阿弥陀堂前にある仁王門で19日、県宝・木造金剛力士像の股下に幼い子供をくぐらせて、健やかな成長を願う伝統行事「仁王尊股くぐり祭」が2日間の日程で始まった。恐ろしい形相をした仁王像に驚いて大泣きする幼児を、家族が温かく見守った。
 股下をくぐるとはしか(麻疹)が軽く済み、丈夫に育つという言い伝えにちなんだ行事。鎌倉時代の作とされる仁王像は高さは約2.6メートルあり、下から見ると迫力満点だ。大泣きしながら必死に股をくぐろうとする幼児を家族が笑いながら励まし、スマートフォンなどで写真を撮っていた。
 9カ月の長男・瑛ちゃんの股くぐりを見守った父親の薬剤師・波多腰康さん(31)=松本市波田=は「幼い頃に自分も股くぐりをした。健やかに育ってもらいたい」と願っていた。
 上波田高齢者クラブが実行委員会を組織して開催している。藤澤忠雄会長(79)は「子供は地域の宝。実行委員は高齢化しているが、子供が主役の祭りとして継続していきたい」と話していた。
 20日は午前9時半~午後4時に開催する。阿弥陀堂はアルピコ交通上高地線渕東駅から徒歩約10分。