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松本の旧町名碑を冊子に 講座「城下町の散歩道」初年度40カ所巡る

旧町名碑を巡る活動をまとめた初年度の報告集

 城下町松本の旧町名を訪ね歩き、歴史や文化に親しむウオーキング講座「城下町の散歩道」の初年度の活動が終了し、主催する「歴史探訪と地域の宝再発見実行委員会」が活動報告集を完成させた。松本市内の各所に立つ旧町名碑130本のうち、令和6年度に回った40カ所と周辺の歴史や街並みを一冊にまとめた。
 市民有志が企画する講座で、昨年4~11月に6回を開いた。初年度は中心市街地を東西に流れる女鳥羽川以北を対象に16人が活動。報告集はA4判カラー156ページで、松本城北側に位置する「北馬場町」や近くの「北馬場柳の井戸」、馬出し廓の堀土を上げたことに由来する「上土町」や十王堂が立つ「餌差町」など、参加者が巡った旧町名や名所旧跡の地図、写真、解説や歴史コラムを載せた。
 市内では昭和39(1964)年に始まった住居表示整備事業によって江戸~昭和初期の町名の多くが廃止された。そこで市教育委員会が昭和60年代から約20年をかけて「旧町名碑」130本を建立。宝再発見実行委は3年をかけて、城下町の範囲内で碑を巡る計画という。
 案内役を務める市内のストリートフォトグラファー・村田正幸さん(76)は「せっかく碑があっても死角だったり、以前あった水場が姿を消していたりと歩くことで新たな発見や気付きがある。報告集にすることで記録になれば」と話している。報告集は送料込み3500円で希望者に頒布する。問い合わせは村田さん(℡080・5859・6591)へ。