政治・経済

空き家活用を安曇野市が後押し 土地利用制度の改正案示す 用途変更の規制緩和へ

土地利用制度の改定案が示された協議会

 安曇野市は1日、空き家の活用推進を一つの柱にした土地利用制度の改定方針案を、市議会経済建設委員会協議会に示した。用途基準の弾力化で立地可能な商業施設などの範囲を広げつつ、空き家に限っては用途変更する場合の敷地面積や延べ床面積などの規制を外し、空き家を活用しやすくする。来年4月の施行を目指す。
 市土地利用基本計画では市内を六つの区域に分けており、最も面積の広い「田園環境区域」に空き家が圧倒的に多く存在する。同区域は田園集落の生活機能の維持を目的に開発が抑制されており、開発の原則基準が細かく設定されている。
 例えば、空き家で古民家カフェを開設する場合、現制度だと敷地面積が1500平方メートル以下で延べ床面積が300平方メートル以下といった規制がかかる。基準に適合していれば手続きは2カ月程度で済むが、適合しない場合は地元説明会や審議会での審査などが必要になり、手続きに4~6カ月も必要になる。
 改定により、空き家を飲食店や小売店などの施設に用途を変更する場合は、敷地面積や延べ床面積、「基本集落内または基本集落から50メートル以内」とする位置の規制を外す。
 開発を限定的に認めている用途基準に「その他これらに類するもの」を加え、類似の施設も開設できるようにもする。これまで、ブックカフェ(飲食店と貸本店)は用途基準とする「飲食店」に合わなかったが、類似した施設として認められるようになる。都市計画課は「ただし、似ているから何でもいいとはならない。施設が地域に与える影響は精査する」としている。
 市は6月に市民説明会を開き、6~7月のパブリックコメントで市民意見を募る。