農耕の春を告げる雪形・常念坊 北ア・常念岳に現れる

清々しい青空が広がった30日、北アルプス・常念岳(2857メートル)の山肌に、雪形「常念坊」を望むことができた。農作業を始める時季が来たことを告げる雪形として安曇野で親しまれており、市内各地からけさ姿の僧侶が見られた。
常念坊は、僧侶が手を合わせる姿、托鉢の鉢、もしくはとっくりを持つ姿ともされ、見る人たちが思い思いに楽しむ。伝承文化の雪形を調査し、広く紹介した山岳写真家・田淵行男(1905~89)は「自然の暦」とも呼んだ。雪解けが進み、常念坊が消えかかるのと入れ替えに今度は雪形「万能鍬」が見えてくる。