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阿寺渓谷の環境を守ろう! 持続可能な観光へ「阿寺ブルー」がCF

CFが実施されている阿寺渓谷

 エメラルドグリーンの清流で知られる大桑村の阿寺渓谷の環境を守ろうと、村指定管理者として渓谷キャンプ場の管理などを担う阿寺ブルー(大桑村長野)が、クラウドファンディング(CF)を5月末まで実施している。電動アシスト付き自転車を導入し、近くの景勝地・柿其渓谷(南木曽町)と結ぶ周遊ルートをつくることで車の行き来による環境負担の軽減や一体的な観光振興を図る目的だ。

 両渓谷は恋路峠を挟んで位置し、南木曽町観光協会によると約3キロの道のりでつながる。どちらも夏場を中心に、清流を目当てに中京圏などから多くの観光客が訪れる。
 阿寺ブルーの河合毅代表は、渓谷の来訪者の増加に実感を込め、地域の受け入れ許容を越える「オーバーツーリズム」が起きることを懸念する。CFを通し、狭い道のりの峠を行き来する車が増えるのを抑え、環境保全や持続可能な観光をつくることを目指す。
 河合代表は「渓谷の絶景を守り残していくのとともに、地域を越えた観光連携にもつなげたい」と見据える。
 返礼品には、有料駐車場が無料になるなどの特典がつく阿寺渓谷の「会員カード」を準備した。渓谷をイメージしたアクセサリーや工芸品などが届くコースもあり、1万円以上の協力で同カードも付いてくる。
 県信用組合のCFサイト「ショー・ボート」で実施している。目標金額は80万円。