上高地開山祭にぎわう 北アルプスに観光の春

北アルプスの山岳観光シーズン幕開けを告げる上高地開山祭(実行委員会主催)が27日、松本市安曇の景勝地・上高地で開かれた。雲一つない澄んだ青空の下、梓川に架かる河童橋のたもとに約2000人が集い、残雪の穂高連峰を仰ぎ見て輝く景色を堪能し、山行への思いを高めた。
アルプホルンの演奏の後、55回目の開山祭が始まった。国内外から訪れた登山者や観光客を前に、実行委員長の小林清二上高地町会長(70)が「半年の冬の眠りから目覚め観光シーズンが再開する。都会の喧噪を離れ上高地を楽しんでほしい」とあいさつした。
開山祭に訪れた大阪府高石市の看護師・松岡智子さんは「天気が良くてなにより。景色に感動した」と笑顔。梓川近くの散策を楽しんだ東京都板橋区の会社員・濱野泰人さん(25)は「空の青と残雪の白のコントラストが素晴らしい」と満喫していた。
市によると、昨年の上高地への来訪者は約153万人で前年比15%増加した。気象庁は18日に上高地に近い岐阜県境の焼岳(2455メートル)の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げた。