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波田の夫婦堤音楽祭歴史に幕 20回の節目 全員合唱で別れ惜しむ

美しい歌声を響かせる波田少年少女合唱団の団員たち

 松本市波田の農業用ため池・夫婦堤の隣にある屋内ゲートボール場で毎年春に開かれてきた「夫婦堤音楽祭」が27日、20回を節目に幕を閉じた。平成14(2002)年の第1回以降、地元の小中学生が出演してきたが、少子化や部活動の地域移行を背景に継続が困難になった。最後に出演者全員で旧波田町の町歌「大いなる波田」を合唱し、地域と共に歩んだ音楽祭との別れを惜しんだ。
 波田中の合唱部と吹奏楽部、波田少年少女合唱団が出演。うち吹奏楽部は「空も飛べるはず」「裸の心」といったJポップのヒット曲を4曲を演奏した。ユーフォニアムを吹いた部長の村石和奏さん(14)は「最後の音楽祭なので気持ちを込めて演奏した。地域の人に聴いてもらう機会がなくなると思うと少し寂しい」と話した。
 演目の最後に旧町民が愛唱してきた「大いなる波田」を出演者全員で高らかに歌い上げた。指揮をした波田少年少女合唱団の音楽監督・岩下史弥さんは「音楽祭開始から関わってきたので残念。今後は子供たちが発表できる場を模索したい」と語った。
 音楽祭は夫婦堤の美化活動に取り組む市民団体・山毛欅の会が住民同士の交流を目的に開いてきた。野竹寛会長は(61)は「これまで支えてくれた地域の方々に感謝したい」と話していた。