担ぎ舟曳行豪快に 堀金岩原のお舟祭り

安曇野市堀金烏川の岩原区にある山神社のお舟祭りが27日、開かれた。市内のお船祭りでは唯一の車輪のない「担ぎ舟」で知られ、地区内外の担ぎ手約60人が団結して上り坂を曳行し、最後にお舟を豪快に転がして祭りを盛り上げた。
お舟は長さ8・8メートル、高さ4・2メートル、重さ約1トン。祭典保存会の会員や一般参加の担ぎ手が、近くの国営アルプスあづみの公園から神社まで約800メートルの道のりを「わっしょい」の掛け声で練り歩いた。上り坂での曳行に息を切らし、初参加の髙野健一さん(62)=穂高有明=は「他とは全然タイプが違うみこし。大変でも、体を痛めるくらいの方が楽しい」と汗を拭った。
神事を終えると、境内の坂でお舟を勢いよく横倒しにした。ミシミシと音を立て形が崩れるのもお構いなしに、担ぎ手たちは「もう一回」「頑張れ」と、前後斜めの材木(ハネギ)がへし折れるまで何度も転がした。お舟を壊すのは、みこしの神さまに祭りの終幕を示す意味合いがある。
岩原山神社のお舟祭りは市無形民俗文化財に指定されている。祭典保存会は昨年に続いて一般参加者の募集を行い地区外から約20人が集まった。三枝修会長(49)は「久しぶりにこれだけ大勢の人が集まってくれてありがたい」と感謝していた。