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松本市の町会などが管理の消防ホース 破裂に注意 耐用年数超過で 定期点検重要

町会が道路端の格納箱に置く消火ホース

 松本市内の町会で管理している消防ホースで、耐用年数が超過したホースを消火活動に使用し、消防団員が負傷する事故が発生した。ホースは町会の自主防災を目的として設置されたが、管理責任があいまいになっているケースもあり、必要時に適切に使用できない危険性がある。全国各地で火災が多発する中、各地域での点検が求められそうだ。

 市によると、昨年11月に市街地で発生した住宅火災で、町会が所有する消火ホースを消火活動に使用した際、ホースがポンプ車の送水圧に耐えられず破裂した。このホースとつながっていた筒先が20代の男性消防団員の右太ももに当たり、団員は長さ10センチの切り傷を負って救急搬送された。使用したホースは平成14(2002)年製で20年以上が経過し、最後に点検した時期は不明という。
 日本消防ホース工業会の基準では、ホース交換推奨期限を6~7年と定めていて、製造から7年を超えたホースは年1回以上、11年超だと半年に1回以上の点検を求めている。ただ、管理方法は町会ごとにさまざまで、市によると原則は町会や自主防災組織が管理するが、地元消防団に依頼している町会もある。
 そもそも、消火栓からの直接送水を前提とした町会のホースの耐水圧は0・9メガパスカルで、消防団が使うホースの1・3メガパスカルと比べ劣る。市は事故後、消防団の分団長会議を通じて消防団の消火活動に町会設置のホースを使用しないよう通達した。
 市消防防災課は「機会を見て地元のホースを確認してほしい」と話している。