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松本城の埋橋 お色直し中 撮影スポットで

補修工事が進む埋橋

 松本市は、国宝松本城の埋橋の補修工事を進めている。昭和30(1955)年の「昭和の大修理」で観光用に架けられた橋だが、平成23(2011)年に松本で震度5強を観測した地震で付近の石垣が崩れたのをきっかけに閉鎖(通行止め)されて以降、本格的な修繕をしておらず傷んでいた。完成は5月末で、赤い欄干とお城のコントラストが美しい人気の撮影スポットが復活する。

 補修は橋上部のみで、完成後も渡ることはできない。市は松本城界隈の「幕末期の姿を具現化する」という計画の下で堀の復元や旧博物館解体を進めており、観光用で史跡ではない埋橋については閉鎖を続ける方針だ。ただ観光客や市民から残してほしいとの要望が根強いことを受け、橋上部のみ補修し、撮影スポットとして整備することとした。
 工事は1月下旬に始まり本年度中の完成を目指していたが、木材不足などの影響で5月下旬にずれ込む見込み。修景工事費は990万円となっている。
 埋橋を巡っては、令和5年の市議会9月定例会の一般質問で臥雲義尚市長が、人気の観光スポットとしてできるだけ長く保全する方針を表明。文化庁と「橋上部のみを修理し、あと50年維持していく考えで臨むべきである」との合意に至ったことを明らかにしている。