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米軍のオスプレイが松本空港に緊急着陸 滑走路一時閉鎖でFDA欠航も

緊急着陸したオスプレイ(右)。近くにFDAの定期便が駐機した(25日午後4時46分)

 25日午後3時ころ、県営松本空港に、米軍海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の航空機・オスプレイ1機が緊急的に着陸した。同機に同行していたもう1機のオスプレイも続いて3時35分ころに着陸した。防衛省によると、最初に着陸した1機の機内の警告灯が飛行中に点灯。エンジントラブルとの情報もある。「安全確保のため予防着陸した」と説明している。25日午後7時現在、けが人の情報は入っていない。
 県松本空港課によると、離着陸への影響を考慮し、3時45分から45分間滑走路を閉鎖した。空港を発着するフジドリームエアラインズ(FDA)の定期便は札幌(新千歳)行きの1便が欠航したほか、札幌発の1便が名古屋(小牧)空港に目的地を変更した。乗客158人に影響が出た。
 2機目のオスプレイは3時40分ころまでに離陸し、午後7時現在、最初に着陸した1機が松本空港のターミナルビル南西そばに駐機している。着陸後の機体の周囲では、迷彩服を着た人が機体にカバーを掛けたり、会話をする様子が見られた。

 空港の周辺にはオスプレイの機体を目撃したりニュースを見たりした人が集まり、警察が警戒に当たるなど一時騒然とした。塩尻市広丘吉田の男性(77)は「自宅でいつもと違う低い音を聞き、外に出たらオスプレイだった。まさか松本に来るとは思わず驚いた」と目を丸くした。「落ちず(墜落せず)に空港に着陸できて良かった」と話す男性もいた。
 空港のカウンターには搭乗機の運航状況を確認する人で長蛇の列ができた。欠航した札幌便に搭乗予定だった茅野市の男性(62)は「友人と札幌でおいしい物を食べる予定だった。非常に残念」と肩を落とした。
 阿部守一知事は午後5時50分に「県民や空港利用者にご心配とご不便をおかけし、おわびする。北関東防衛局に対し詳細な情報の収集と共有、安全確保の観点からの適切な対応を求めているところで、新しい情報が入り次第、随時公表する」とのコメントを発表した。