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木製パイロンがウッドデザイン賞で優秀賞

ウッドデザイン賞に入賞した木製パイロンと開発した増田さん

 朝日村針尾に家具や木工品製造の工房「RED HOUSE FURNITURE(レッドハウスファニチャー)」を構える作家の増田善計さん(57)=塩尻市塩尻町=が開発した木製パイロンが、木の良さ・価値を発信する製品や建築を表彰する本年度のウッドデザイン賞で優秀賞(林野庁長官賞)を受けた。プラスチック製が主流のパイロンに木を生かすことで脱プラスチックの意識や、木材利用拡大が進むことを願って作った製品だ。

 厚さ9ミリに加工した木材3枚を革のちょう番で組み合わせた三角すいの形状。折りたたみ式で表裏使えるリバーシブルデザインだ。パイロンだけでなく看板などにも利用できる。
 脱プラを意識した作品制作を行ってきた増田さんが、道路脇で劣化し粉々になったプラ製パイロンを目にしたことをきっかけに考案した。一昨年に村産カラマツを使って製品化し、木材活用先進国のフィンランドの言葉で三角を意味する「KOLMIO(コルミオ)」の名前で主に受注生産やレンタルを行っている。現在は、都内で障害者らの就労支援木工作業所を展開する一般社団法人kitokito、伊那市に拠点を置く社会福祉法人アンサンブル会の協力で製造し、林福連携の活動も高く評価された。
 これまでに木製品の展示会への出品、村や県に寄贈を行い、24日まで山形村の大型商業施設・アイシティ21で行われている「木のあるくらし展」でも展示している。増田さんは「新しい発想で木材利用の可能性を広げていきたい」と話している。