病院にアート 安らぎ提供 安曇野日赤で美術展 患者や職員向けに企画

芸術がケア医療として価値あることを実証しようと、安曇野市豊科の安曇野赤十字病院で今月末まで、患者や職員向けの美術展「創造の力」が開かれている。展覧会事業を手掛けているmooroLab(ムーロラボ、東京都)が県内で初めて開催し、癒やしの空間を提供している。
アマチュアを含む国内外アーティストの作品約30点を展示している。中国の版画家・崔晶さんの作品4点も展示しており、同社の両角裕太代表は「日本の美術館では見られない作品」と語る。
鹿児島県屋久島出身の書道アーティスト・馬場貴海賀さんは「我逢人」の文字に厚みを持たせた平面作品を出展。「常にその人に寄り添うような作品にしたい」と思いを語っていた。マルチミックスメディア作家の伊藤奏生さん=東京都=はコンニャクのりや和紙などで作った立体作品を展示した。「精神的につらい人を癒やせる作品を作りたい」と作家としての制作コンセプトを語っていた。
同社による病院での美術展は3カ所目になる。両角代表は「芸術が誰かの支えになるかもしれない。前向きに治療と向き合うきっかけになれば」と願っていた。
同病院の胡桃伸子看護部長は「日々の業務で疲れている職員にも心豊かになってもらえたら」と芸術効果に期待していた。