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裁判演劇「極刑」に10代女性が挑む 安曇野の堀内さんが30代の娘役に

被害者の30代の娘役を演じる堀内さん(左)。出演が決まり、実際の裁判報道にも関心を持つようになったという

 オーディションで選ばれた市民がキャストを務め、昨年11月に上土劇場(松本市大手4)で上演された参加型裁判演劇「極刑」(信州松本うらまちレジリエンス協議会主催)が22日、松本市大手5の魚長ビル2階のスタジオ365で再演される。今回は被害者の娘役を初めて10代の女性が演じる。

 今月に豊科高校(安曇野市)を卒業したばかりの堀内奈苗さん(18)=安曇野市明科=が、30代を想定した娘役に挑む。同校演劇部に所属していた昨春、オーディションを受けたが、若く、娘役を射止められなかった。だが、情熱を買われ、裁判官役に選ばれたが、公演が大学受験と重なり辞退していた。今回、弁護士で同劇制作者の今井秀智さん=神奈川県=が「今なら娘役ができる」と依頼した。
 「極刑」は、架空の強盗殺人事件の裁判を市民が舞台上で演じ、観客が裁判員になり、死刑にするかの判決を決める劇。堀内さんは親が殺される役に対し「自分に置き換えたら考えたくもないけれど、自分に落とし込んで演じたい」と語る。
 4月からは「プランクトンの研究をしたい」と北里大学海洋生命科学部(神奈川県)に進学する。俳優になる夢も抱き「劇団に所属し、自分の可能性を見極めたい」と語る。「お金を払って見てもらう劇は初めて。お客さんに届くように演じたい」と熱心だ。
 公演は午後0時半と午後5時の2回で、堀内さんは昼の部に出演する。前売りは一般3000円、学生2000円。問い合わせは同協議会(電話050・8889・2225)へ。