松本・華松煙火の上條さん 高崎の花火コンクールで優秀賞

松本市島内の華松煙火の花火師・上條僚士さん(34)が、群馬県高崎市で今月上旬に開催された「第6回高崎HANABIコンクール」で優秀賞を受けた。光のしずくが落ちて波紋が広がっていくイメージを16発の打ち上げ花火で夜空に描写し、しずくと波紋の表現や最後に打ち上げた大玉の完成度などが評価された。
40歳以下の若手花火師を対象としたコンクールで、打ち上げの構成や作品名に沿った表現力、安全性などを競った。上條さんの作品名は「光の雫・光の波紋」で、得意とする技法で花開いた花火の中に、光の粒の輪が広がっていく様子を表現した。1月に奈良県で開かれた花火大会で打ち上げ、光の輪がしっかりと広がるかなどを微調整してコンクール本番用の花火を仕上げた。
上條さんは華松煙火の6代目で、22歳で花火師となった。年間で五つほどのコンクールに挑戦しており、高崎HANABIコンクールには6回目の出場で初受賞となった。ただ、優勝と準優勝に次ぐ優秀賞となったことで、うれしさや手応えの半面、悔しさもあるという。
花火師のやりがいを「自分で作って自分で使い(打ち上げ)、それに対して拍手などで評価してもらえる。なかなかこのような仕事はない」とする。受賞を機に「幸せな気持ちになってもらえる花火の力はすごいと感じている。その力を信じて作り続けたい」と決意を新たにしている。