女性の地位向上は道半ば 国際女性デーに合わせ松本でイベント

女性の地位向上と差別の払拭を目指す国際的な連帯と統一行動の日「国際女性デー」の8日、松本市内でも啓発イベントが行われた。今年は昭和50(1975)年の制定から50年の節目の年で、参加者は、日常のあらゆる場面に存在する差別を再認識するとともに、解消に向けて何ができるのか考え行動していくことを確認した。
毎月11日に市内で開いている性暴力に抗議する社会運動「フラワーデモ」の参加者らでつくる「性被害をなくす会~まつもと」は、中心市街地の中町・蔵シック館で、セクハラや性被害の経験を来場者が匿名で書き出し、社会に潜在する女性差別を可視化する取り組み「クロースライン」を開いた。
身内からの性被害による長年の苦しみ、職場や地域で今も当たり前に存在している性差別への疑問など、思わず息をのむような生の声が並んだ。主催者の一人の濵深雪さん=松本市波田=は「地方都市では余計に口に出しにくい状況がある。日常に潜む被害に多くの人が気付くきっかけにしたい」と話していた。シンガー・ソングライターの葦木啓夏さんと、電子オルガン奏者・笠原芳子さんのミニコンサートもあった。
女性の権利団体・アイ女性会議県本部(田口輝子議長)が主体となって声をかけた市民団体や市町村議会議員でつくる「3・8国際女性デー実行委員会」は、意見交換会や松本駅お城口広場での街頭宣伝をした。田口議長は「いまだある差別にがく然とすることもあるが、若い人に活動が受け継がれ、希望はある。足を止めることなく取り組みたい」と話していた。