上土防災マップ 松本大・白戸ゼミ4年生が製作

松本市中心街の上土町の地域活性化に長年取り組んできた、松本大学(松本市新村)観光ホスピタリティ学科・白戸洋教授のゼミに所属する4年生12人が、上土町町会の防災マップを作った。8日、カフェあげつちで開かれた卒業研究報告会で、来場者にお披露目された。学生はマップが住民の防災意識向上や、顔の見える関係づくりにつながることを願っている。
A3判で、足腰の弱い高齢者らが一時的に避難する場所(ホテルや駐車場など)を示した。町会に加入する事業所の連絡先のほか、防災倉庫、トイレ、非常時に生活用水として使える井戸、消火栓の場所なども載せた。市の助言を踏まえ、道路幅を3段階で色分けし、「水はけが悪い」「地震時に倒壊や火災の危険性あり」など調査で得た情報も加えた。
上土町は約100世帯が居住し、60歳以上が3~4割を占める。飲食店をはじめ事業所が多く、朝晩と日中で人口差がある。このような地域特有の事情も踏まえてマップを作成した。
報告会で学生たちは、防災備蓄品の充実や、飲食店が多い上土町の特徴を生かした災害時の炊き出し拠点づくりなどを提言した。11日で発生から14年となる東日本大震災など、全国各地で災害が頻発する現状を踏まえ、穂苅勇希さん(22)は「災害はいつ起こるか分からない。マップを生かして、危険箇所などを頭にとどめ、防災意識を高めてほしい」と話した。
協力した上土町町会の大蔦宏町会長は、町会単独で初めてとなる防災マップの作成に感謝し、「素晴らしいマップを活用していかなければ。学生から託された課題だ」と話していた。