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三郷の小林清次さん 義民館にお花見用ベンチを寄贈 伐採木で手作り

寄贈した自作のベンチと小林さん

  安曇野市三郷明盛の小林清次さん(84)が屋敷林の伐採木でベンチを自作し、三郷明盛の貞享義民記念館に4基を寄贈した。同記念館がある「義民の里公園」は地元で知られる桜の名所でもあり、小林さんは「ちょっとでも足を止めて、ベンチに座って眺めてもらえたら」と活用されることを願っている。

 小林さんは個人で庭園管理の仕事に携わっている。三郷地域の民家で2月下旬に伐採したばかりのヒノキとスギを譲り受けてベンチを作った。生木のため香りも楽しめる。
 義民の里公園の桜並木には元々ベンチがあったが、虫食いでぼろぼろになって座る人も減っていたため一昨年に撤去していた。小林さんは「屋敷林の太い木をこのまま朽ちさせるのはもったいないと思った。桜が咲いても立って見てもらうのは忍びないので」と、ベンチ作りに込めた思いを語っていた。
 同記念館の裏手でくみ上げた地下水を池に流す掛樋も小林さんが自作して贈った。
 義民の里公園には数種類の桜が植わっており、最も早く咲くヒガンザクラから最後のカスミザクラまで開花時期がずれるため、「桜の花のリレー」が長く楽しめる。寺島俊郎館長は「自発的に関わってくれるボランティアの存在は本当にありがたい。これから桜がどんどん咲く。ベンチに座って桜を眺めてもらえたら」と語る。