安曇野市の合葬墓 使用申請が急増 市が2棟目を建設へ

安曇野市の市営穂高墓地公園(穂高)にある合葬式墳墓の使用申し込みが急増している。令和4年度まで年に約80件だった申請は、昨年度130件、本年度(1月末現在)は157件と急速に伸びており、墳墓内の「共同埋蔵室」はあと1年ほどで埋蔵可能数の800体に達する見込みだ。市は同公園内に2棟目を建設する準備を新年度に始める。
合葬式墳墓は平成29(2017)年度に整備した。骨つぼの状態で埋蔵する「個別埋蔵室」の申し込みは年20~30件と横ばいだが、多くの遺骨を地下にまとめる共同埋蔵室は4年度57件、5年度106件、本年度は128件と急増している。共同埋蔵室は改葬、分骨ができないが、料金が安く、埋蔵数は許容量の87%に達している。
市は2棟目を隣に建設する考えで、新年度一般会計当初予算案に実施設計費198万円を計上した。8年度の着工を見込む。共同埋蔵室は需要の伸びを踏まえ、容積を既存の2倍にする方針だ。
合葬墓の需要が高まる背景には、少子高齢化や、高齢者世帯の増加によるお墓の継承への不安感がある。3日の市議会3月定例会で、林孝彦氏(無所属の会)の一般質問に答弁した吉田美千代市民生活部長は「負担するお金が少なくて助かる」「子供にお墓の維持管理をさせなくてよい」といった使用者の声を紹介。市内10カ所の市営霊園(計3786区画)のうち、「墓じまい」などの理由で年に20~30区画が市に返還されている状況も説明した。
市環境課は、合葬式墳墓の需要の伸びは当初の想定を上回っているとし「早めに2棟目を整備できるようにしたい」としている。