「源智の井戸」一丸で守ろう 町会有志や利用者がボランティア組織結成

松本市中央3の市特別史跡・源智の井戸の清掃に取り組むボランティア組織「源智の井戸を守り隊」が今月、発足した。現在清掃を担っている地元・宮村町一丁目町会(伴吉宏町会長)の有志の会「井戸と花の会」(荻村繁男代表)に、町会外の井戸利用者などが加わり20人で結成。観光客にも人気の湧き水を守り後世に伝えていくため、今後も継続的に取り組む。
活動は水をくみに来る人が訪れる前の午前7時に始める。井戸の中の砂利に付いた藻を除去したり、木枠をぬれタオルで拭いたり、井戸周辺の水路をデッキブラシで掃除したりと、やることはたくさんある。
初回となった1日には全メンバーが参加した。1年ほど前に市内に移住してから、毎週水をくみに来ているというパート職員・西川文野さん(40)=市内浅間温泉=は「感謝の気持ちで来た」と浮かんできた藻を金ざるで丁寧にすくい取っていた。
高齢化などにより、町会主体の活動が困難になってきたことを受け、地元の第二地区地域づくりセンターが、井戸に協力を求めるチラシを掲示したり、地区内に呼び掛けたりして守り隊のメンバーを集めた。源智の井戸は1日200人以上が訪れる観光スポットで、所有する市は新年度当初予算案に月2回の清掃を実施する予算を計上している。ただ、それだけでは繁殖力の強い藻の除去は難しい。井戸利用者と地元とのつなぎ役も必要で、これまでの町会ボランティアと同様、守り隊の活動が欠かせない。
井戸と花の会の山本慎二さん(61)は「活動を通して、井戸を守っていこうという機運が高まることが大切。ぜひ継続していってほしい」と願っていた。
次回の活動は15日で、守り隊メンバーは随時募集している。申し込み、問い合わせは第二地区地域づくりセンター(電話0263・39・3601)へ。