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安曇野市豊科の市道 未整備区間、今秋着工へ

市道豊科1級26号線の一部。道路形状を整え、フェンスより先の未整備区間の工事に入る

 安曇野市が合併当初から約20年かけて進めてきた幹線道路「市道豊科1級26号線」の用地買収が本年度に完了した。豊科南小学校北側の未整備区間で新年度に着工し、数年後に完成・開通する見通しで、豊科の市街地を貫く新たな南北幹線ルートが出来上がる。

 同市道は、市防災広場の交差点を起点に南へ延びる幅12メートル、両側歩道付き片側1車線で、新田堰の手前までほぼ整備されている。その先、未整備区間255メートルを挟んだ豊科南小付近の終点区間は平成23(2011)年度に整備済みのため、道路が途中で切れる格好になっていた。
 未整備区間の工事は今秋に着手する。途中の豊科高校付近の十字路交差点の改良も新年度に行い、右折レーンの設置などが11月に完了する。新年度一般会計当初予算案に関連経費の約2億300万円を計上した。返済額の7割を国が交付税措置する有利な起債・合併特例債を充てる。
 市道豊科1級26号線の整備を巡っては、旧豊科町が平成15年度、豊科高付近の十字路交差点―終点・高家バイパスの930メートル区間を事業化。合併当初から用地買収を進め、順次整備を進めてきた。
 全線開通すれば、県民豊科運動広場(豊科南穂高)付近から防災広場を経て高家バイパスに抜ける約4キロの南北幹線ルートが完成する。国道の渋滞緩和が期待でき、災害時には防災拠点をつなぐ支援物資の輸送路となる。市建設整備課の担当者は「地元の皆さんの協力でようやく先が見えてきた。全線開通すれば便利になり、通学路の安全確保にもつながる」と話している。