地域の話題

松本市立病院 業務改善へ職員の声重視 幹部と定期で「語り合う会」

北野管理者(右)と佐藤院長(左)と懇談する看護師

 松本市立病院(波田)は、病院の幹部と職員がさまざまな課題について話し合う「事業管理者・病院長と語り合う会」を定期的に開いている。医療や看護の現場での課題や問題点をざっくばらんに話し合う機会で、実際に現場の改善につながったケースもある。令和10年3月末に新病院への移転が計画されており、語り合う会では今後、新病院の在り方も話し合う。

 語り合う会は、北野喜良病院事業管理者らの発案で令和5年7月に始まった。毎月参加希望を募り、職員が北野管理者や佐藤吉彦院長と昼食を取りながら意見交換している。これまで11回開かれ、職員延べ41人が現場の声を管理職に届けた。
 今月行われた語り合う会では、回復期リハビリテーション病棟の看護師3人が参加し「農家の患者さんも多く、中には外に出て草取りをしたいという人もいる。病院内に畑を作れないか」の提案も出た。「リハビリ病棟内で決まった時間に、県歌『信濃の国』を流して体操などをしては」のアイデアも挙がり、採用を検討している。看護師の都筑文栄さんは「現場の意見をくみ取ってもらえ、ありがたい」と話す。
 過去の語り合う会では、院内の情報共有の必要性や看護師の補助人員の不足、病院PRのための広報充実などが挙がった。昨年7月に出された「病院独自のマスコットキャラクターを作っては」の提案は採用され、昨年の病院祭でマスコット総選挙が行われた。
 北野事業管理者は「現場ならではの率直な声が聞けて非常に良い機会。患者さんに親しまれる病院づくりのために今後も続けていきたい」と話している。