地域の話題

塩尻町交差点の改良完了 食い違い解消、見通しよく

視認性の高い「十字路交差点」に改良された国道153号塩尻町交差点

 塩尻市塩尻町の国道153号「塩尻町」交差点一帯の改良工事が終わり、27日に供用が開始された。丁字路が連続した変則交差点から、信号機が新設された見通しのよい十字路交差点に生まれ変わった。交通死亡事故も発生するなど通行に危険が伴い長年の懸案課題だったが、市が10年近くの歳月をかけ事業に取り組み解消した。

 工事改良により、塩尻町交差点と、東に15・2メートル離れた別の交差点を一体化させた。国道に接続する北側の市道・町区火葬場線は昨年度に拡幅し、本年度は特に課題だった国道南側の市道・町区上西条線に着手した。町区上西条線を西に約15メートルずらして食い違いを解消し、交差点付近の道路幅を従来の5メートルから8メートルにまで広げた。国道の接続部分に信号機を取り付け、国道沿いの東西方向には横断歩道と歩行者用信号も新設した。
 これまでの町区上西条線は、どの信号の規制も受けない状態で、進行方向によってはクランク状に走るなど通行方法が煩雑で、かねて危険性が指摘されていた。直近では令和4年12月に車同士の出合い頭の事故で男性が死亡している。
 事業は平成28(2016)年度に地形測量を行い、設計、用地買収、物件移転を進めてきた。用地交渉に最も時間を費やし、地権者8人から計692平方メートルを取得した。事業費は1億3000万円。市建設課の担当者・奥原達朗さん(34)は「地権者や地域住民、工事関係者の協力で安全な形状にできた。信号機で規制もしたので事故がなくなれば」と願った。