桃の節句へ からすみ作り 木曽南部 伝統の甘味 彩り良く

木曽郡南部などで月遅れの桃の節句(4月3日)に食べられてきた米粉の郷土菓子・からすみ作りが最盛期を迎えている。大桑村須原の木挽の里でも、春に向けスタッフらが盛んに作業している。
米粉と砂糖を練って蒸した菓子で、断面が山形になるものが昔ながらという。木挽の里では、村内で採った桜やヨモギを使った味なども手掛け、工房には色鮮やかな製品が並ぶ。食べやすさや縁起の良さを取り入れた、花びらやタイの形も作っている。
からすみは、ボラの卵巣を加工した「からすみ」に似せて作り、子宝の縁起物として供えたとされる。木挽の里でも季節のなじみの味として村内外から注文があるといい、製造を担う岨手孝子さんは「家庭で作ることは少なくなった。伝統の味を多くの人に知ってもらい、伝えていければ」と話している。
同工房の製品は村内の道の駅や商店などでも扱う。問い合わせは木挽の里(電話0264・55・2900)へ。